明治の女と青い水
祖母は明治40年代生まれ 生きていれば110才くらい
亡くなったのは確か88才の時
私が子供の頃、祖母の家のまわり一帯は農村地帯で
近所のおかみさん達も全員農婦
麦わら帽子にほっかぶり
地味なかっぽう着にモンペ
そして農業用の足袋
朝から晩まで曲がった腰で畑にでて
帰ってきたらお嫁さんと並んで炊事
そして風呂焚き(当時 薪で湯を沸かしていた)
60代で祖父を亡くしてからの楽しみは
もっぱら
老人会での集まり
老人会のバス旅行
そして一番楽しみにしていたのは
近所の農婦たちと喫茶店でお茶しながらお喋りをすること
いつの時代も同じ
彼女たちは、みんな近隣の農家から農家の長男に嫁いで
働いて働きぬいた元気な同志たち
同じように日に焼けて 筋張った小柄な身体
近所に住んでいた私が 放課後遊びに行くと
『今さ 〇〇のおばちゃんと〇〇のおばちゃん達と
青い水を飲んできたんだよ 美味しかった~』
『青い水ってなんだろ』
『ほら あれだよ!青いの!シュワシュワしてて
アイスが入ってかき混ぜると白く濁ってさぁ
みんなおかわりしちゃったんだよ。
くっくっく あはははヽ(^。^)ノ』
『クリームソーダの事?』
『そんなの名前なんて知らないよ
あたしらは 青い水 でわかんの
あれはほんとにうまいなぁ
おかわりしちゃったんだからさ くっくっく』
今 いろんな色のクリームソーダが流行ってるらしいです
サンプルやポスターなど街で見かけるたび
おばあちゃんを思い出す
きっとメロンソーダ色しか認めないだろうなぁ。。。(#^.^#)
写真はクリームソーダではなく
長崎名物”ミルクセーキ”です